看護師の転職指南書

訪問看護に転職するときに知っておきたいこと

2026年9月8日 更新4分で読めます6

写真:Pexels

訪問看護は、日勤中心で働けることから病棟からの転職先として選ばれることが増えています。一方で、一人で判断する場面が多く、病棟とは別の緊張感があります。ここでは仕事の実際と、事業所選びの見極め方をまとめます。

1日の流れ

4〜6件1日あたりの訪問件数の目安事業所や地域により変動
30〜60分1件あたりの訪問時間の目安利用者の状態による

朝は事業所に出勤し、その日の訪問先と申し送りを確認します。直行直帰を認めている事業所もありますが、朝礼で情報共有を行うところが一般的です。

訪問は1件あたり30分から1時間程度で、移動を含めて1日4〜6件を回ります。バイタル測定、服薬管理、褥瘡や創部の処置、リハビリの支援、家族への指導など、利用者の状態によって内容は幅広く変わります。

訪問の合間や終業前に記録を作成します。訪問看護記録は報酬の請求にも関わるため、記載のルールが細かく決まっています。この記録業務の量は、病棟とは違う負担として知っておいてください。

病棟との違い

最も大きな違いは、その場に相談できる同僚がいないことです。判断に迷う場面でも、まず自分で状況を評価し、必要なら電話で相談する流れになります。

もうひとつは、生活の場に入るという点です。物品は利用者宅にあるものを使い、環境も家庭ごとに違います。病院のように整った条件ではないなかで、その場にあるもので対応する力が求められます。

家族との関わりも濃くなります。ケアの方法を家族に伝え、続けられる形に落とし込むことが仕事の一部です。医療の知識だけでなく、生活を見る視点が必要になります。

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オンコールの実態を確認する

訪問看護でもっとも生活に影響するのが、夜間・休日のオンコールです。電話を受ける当番で、状況によっては実際に訪問することもあります。

確認したいのは3点です。月に何回当番があるか、1回あたりの手当はいくらか、そして実際に呼び出される頻度はどのくらいか。手当だけを見て判断すると、実態とずれます。

事業所によっては、オンコールなしの求人もあります。日中のみの勤務を希望する場合は、募集要項の表現を細かく確認し、面接でも直接尋ねてください。

未経験から始められるか

かつては病棟経験3〜5年が目安とされていましたが、近年は経験年数の浅い看護師や新卒を受け入れる事業所も増えています。教育体制を整えている事業所が出てきたためです。

判断の基準になるのが同行期間です。先輩と一緒に訪問する期間が2週間なのか3か月なのかで、独り立ちしたあとの不安がまったく違います。

同行の回数だけでなく、独り立ち後に相談できる体制があるかも確認してください。訪問中に電話で相談できるか、記録を見て助言をもらえるか。ここが整っている事業所は定着率も高い傾向があります。

訪問看護の定着を左右するのは、技術より「独り立ち後に相談できるか」です。

事業所選びの確認項目

  • 看護師の在籍人数(少人数だとオンコールの回数が増える)
  • 同行期間の長さと、独り立ちまでの流れ
  • 1日あたりの訪問件数の平均と、移動手段(自転車・自動車)
  • 記録システムはタブレットか紙か、直行直帰が可能か
  • 主な利用者層(高齢者中心か、小児や精神科にも対応するか)
  • 24時間対応体制加算を算定しているか(オンコールの有無に直結する)
  • 離職率と、直近1年の入退職の状況

向いている人・慣れが必要な人

自分で段取りを組んで動くのが得意な人、利用者や家族とじっくり関わりたい人には向いています。1件ごとに時間を確保できるため、病棟のような慌ただしさは少なくなります。

一方で、判断を一人で下すことに強い不安がある場合は、同行期間の長い事業所を選ぶか、まず病棟でもう少し経験を積むという選択もあります。焦って決める必要はありません。

運転が必要な地域も多く、車の運転に不安がある場合は、自転車圏内で完結する都市部の事業所を探すという方法もあります。求人を見る際は移動手段も条件に入れてください。

よくある質問

病棟経験が3年未満でも訪問看護に転職できますか。
受け入れる事業所は増えています。判断の基準になるのは同行期間の長さと、独り立ち後に相談できる体制があるかです。この2点を必ず確認してください。
オンコールは避けられますか。
オンコールなしの求人もあります。ただし数は限られるため、当番の回数と実際の呼び出し頻度を聞いたうえで、許容できる範囲かを判断する方法も現実的です。
運転が苦手でも働けますか。
都市部では自転車で回る事業所もあります。求人を探す際に移動手段を条件に入れて絞り込んでください。

最終更新日:2026年9月8日

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