退職の伝え方は、その後の数か月の働きやすさを左右します。法律上のルールと職場の慣習は別物で、どちらも知っておくと余計な摩擦を避けられます。ここでは切り出す時期から最終出勤日までを順番に整理します。
いつ伝えるか:法律と就業規則の関係
期間の定めのない雇用契約では、退職の申し出から2週間が経過すれば契約は終了します。これは民法に定めがあり、就業規則よりも優先されます。
ただし実務では、多くの医療機関が就業規則で「1か月前」または「2か月前」の申し出を求めています。シフト制の職場では勤務表の作成に時間がかかるため、この期間には合理性があります。
円満に進めたいのであれば、就業規則の期限よりさらに1か月早く伝えるのが安全です。年度末の退職を考えているなら、遅くとも前年12月から1月には切り出しておきたいところです。
誰に、どの順番で伝えるか
最初に伝えるのは直属の上司です。看護師の場合は病棟師長にあたります。同僚に先に話してしまうと、上司の耳に噂として入り、関係が悪化する原因になります。
伝える場は、ナースステーションではなく個室を確保してください。「ご相談したいことがあるので、15分ほどお時間をいただけますか」と事前にアポイントを取るのが丁寧です。
上司の了承が得られたあと、看護部長や人事へ話が上がります。同僚への周知は、上司と相談してタイミングを決めます。自分から先に広めないのが原則です。

伝え方:理由は簡潔に、決意は明確に
退職理由は、詳しく説明するほど引き止めの材料になります。「一身上の都合」で足りる場面も多く、聞かれた場合だけ簡潔に答えれば十分です。
職場への不満を理由に挙げるのは避けてください。「その点は改善するから」と引き止められたとき、断る理由がなくなってしまいます。
前向きな理由に言い換えるのが定石です。「訪問看護の経験を積みたい」「家庭の事情で生活リズムを変える必要がある」のように、職場では解決できない理由にしておくと話が早く進みます。
「相談」ではなく「報告」として伝えると、話し合いが長引きにくくなります。
引き止められたときの対応
人員が不足している職場では、強い引き止めに遭うことがあります。よくあるのは、給与や配置の改善を提示されるケース、後任が見つかるまで待ってほしいと言われるケースです。
条件改善の提案は、その場で返事をせず持ち帰ってください。ただし、条件が理由で辞めるのでなければ、受けても状況は変わりません。
「後任が決まるまで」という条件は、期限が定まらないため受けないほうが安全です。採用は職場の責任であり、退職する側が負うものではありません。退職日を先に決めて、そこから逆算して引き継ぎ計画を示すと話が進みます。
有給休暇の消化と引き継ぎ
有給休暇は労働者の権利で、退職時にまとめて消化することもできます。ただし、残日数が多い場合は現実的なスケジュールに落とし込む必要があります。
実務では、最終出勤日を設定し、そこから退職日までを有給消化に充てる形が一般的です。残日数を早めに確認し、上司との相談で最終出勤日を決めてください。
引き継ぎは、担当している患者さんの情報、委員会の役割、進行中の書類の3つに分けて整理します。口頭ではなく書面に残すと、後任が変わっても伝わります。
退職時に受け取る書類
- 離職票(雇用保険の手続きに使う。すぐ転職する場合は不要なこともある)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳または基礎年金番号通知書(預けている場合)
- 源泉徴収票(年末調整に必要。退職後に郵送されることが多い)
- 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に切り替える場合)
よくある質問
- 退職を伝えたあと、気まずくならない方法はありますか。
- 理由を簡潔に伝え、引き継ぎ計画を自分から示すことです。辞めることより、残る人への配慮が見えるかどうかで印象が変わります。
- 有給をすべて消化してから辞めることはできますか。
- 権利としては可能です。実務では最終出勤日を設定し、そこから退職日までを消化に充てる形が一般的です。残日数を早めに確認して相談してください。
- 退職を強く引き止められたらどうすればよいですか。
- 条件改善の提案はその場で返事をせず持ち帰ってください。「後任が決まるまで」という条件は期限が定まらないため受けず、退職日を先に決めて引き継ぎ計画を示してください。
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- 仕事比較ガイド編集部(yoin studio)
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- 最終更新日
- 2026年6月17日
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