看護師の転職指南書

看護師の給与・条件交渉の進め方

2026年9月8日 更新4分で読めます6

写真:Pexels

条件の相談は、ずうずうしいことではありません。採用する側も、入職後にすれ違いが起きるほうを避けたいと考えています。大切なのは、伝える時期と根拠の示し方です。ここでは実務の順に沿って整理します。

まず自分の現在地を数字にする

交渉の出発点は、今の年収を正確に把握することです。源泉徴収票の支払金額を見れば、手当と賞与を含めた実額がわかります。月給の記憶だけで話すと、実態からずれた数字を出してしまいます。

次に、その内訳を分けます。基本給、固定手当、夜勤手当、賞与。この4つに分解しておくと、転職先の提示額と項目単位で比べられます。

「今より上げたい」ではなく「基本給を◯万円以上にしたい」まで具体化すると、相手も検討しやすくなります。曖昧な希望は、曖昧な回答しか引き出せません。

相場を調べる

相場は、地域と職場の種別で変わります。同じ都道府県内でも、都市部と郊外では水準が違いますし、急性期病院とクリニックでも構成が異なります。

調べ方としては、公的統計で全体の水準をつかみ、実際の求人票で自分の条件に近い募集の提示額を並べるのが現実的です。求人票を10件ほど集めると、おおよその中央値が見えてきます。

エージェントを使っている場合は、担当者に直接聞くのが早い方法です。「同じ経験年数の方は、この地域だとどのくらいの提示が多いですか」と尋ねれば、実際の成約事例にもとづく回答が得られます。

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切り出すタイミング

条件の話を持ち出すのは、面接の終盤か、内定の連絡を受けたあとが適切です。面接の冒頭で給与の話を始めると、条件だけで職場を選んでいる印象を与えます。

最も動かしやすいのは内定後です。採用側はすでに「この人に来てほしい」と判断しているため、調整に応じる余地があります。ただし、内定承諾のあとでは変更が難しくなるため、承諾前に済ませてください。

エージェント経由の場合は、担当者に希望を伝えて交渉してもらいます。直接言いにくい話を間に立って伝えてもらえるのが、エージェントを使う利点のひとつです。

条件の相談は、内定を受け取ってから承諾するまでの短い期間が最も動かしやすいタイミングです。

伝え方:幅と根拠をセットにする

希望額は、1点の数字ではなく幅で伝えます。「基本給25万円以上」より「基本給25万円から27万円のあたりでご相談できればと考えています」のほうが、話し合いの余地が残ります。

根拠は1つで十分です。現職の水準、保有資格、応募先で活かせる経験のいずれかを添えます。「現職では夜勤手当を含めて年収◯万円でしたので、同水準を目安に考えています」といった形です。

避けたいのは、他院の提示額を引き合いに出して比較させることです。事実であっても、駆け引きの印象を与えてしまいます。

給与以外に相談できること

基本給は、職員全体の給与テーブルで決まっているため動かしにくい項目です。一方で、それ以外には調整の余地があることがあります。

例えば、入職日、試用期間中の待遇、夜勤回数の上限、有給の付与時期、資格取得支援の適用範囲。これらは個別の事情に応じて相談できる場合があります。

基本給が動かないと言われたときは、「では夜勤回数について相談させてください」と論点を変えると、実質的な条件が改善することがあります。

内定後に必ず確認する項目

  • 基本給と、各手当の名称・金額(労働条件通知書で確認)
  • 固定残業代の有無と、含まれる時間数
  • 賞与の支給月数と、支給日在籍要件の有無
  • 試用期間の長さと、その間の給与・待遇
  • 夜勤の回数と、1回あたりの手当額
  • 有給休暇の付与時期と日数
  • 退職金制度の有無と、支給に必要な勤続年数

よくある質問

条件交渉をすると、印象が悪くなりませんか。
伝え方を守れば問題ありません。根拠を1つ添えて幅で伝える形であれば、採用側も入職後のすれ違いを避けられるため歓迎されます。
いつ交渉するのが最も効果的ですか。
内定を受け取ってから承諾するまでの期間です。採用側はすでに来てほしいと判断しているため、調整に応じる余地があります。
基本給が上がらないと言われたらどうすればよいですか。
論点を変えてください。夜勤回数、入職日、試用期間の待遇、有給の付与時期などは調整の余地が残っていることがあります。

最終更新日:2026年9月8日

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