薬剤師のキャリアを考えるとき、認定や専門の資格は選択肢を広げる手段になります。ただし種類が多く、どれを目指すべきか迷いやすい分野でもあります。ここでは全体像と、転職での活かし方を整理します。
認定と専門の違い
薬剤師の資格には、大きく分けて「研修の受講で得られる認定」と「専門分野の実務経験にもとづく認定」があります。
前者の代表が研修認定薬剤師です。研修会や自己学習で単位を積み上げ、一定の要件を満たすと認定されます。継続的に学んでいることの証明として位置づけられます。
後者は、がん、感染制御、精神科、緩和医療、糖尿病療養など、分野ごとの認定です。実務経験や症例の提出、試験が要件になることが多く、取得までに時間がかかります。
研修認定薬剤師の位置づけ
研修認定薬剤師は、多くの薬剤師が最初に目指す認定です。研修会への参加、eラーニング、学会発表などで単位を積み上げます。
この認定は、健康サポート薬局に関わる要件や、かかりつけ薬剤師の要件と関連づけられることがあります。制度の内容は見直されるため、最新の要件は厚生労働省や各団体の資料で確認してください。
単位の取得は働きながらでも進められます。勤務先が研修費用を負担してくれる場合もあるため、求人票の「資格取得支援」の内容を確認してみてください。

専門分野の認定
特定の分野を深めたい場合は、その分野の認定を目指す道があります。がん、感染制御、精神科、緩和医療、栄養、糖尿病療養など、複数の分野があります。
これらの多くは、その分野の症例に関わる環境が必要です。つまり、病院や特定の医療機関に関わる薬局でなければ、要件を満たすこと自体が難しい場合があります。
目指す認定が決まっているなら、それが取得できる環境かどうかを転職の判断材料に入れてください。「この認定を目指したいのですが、症例に関われますか」と面接で聞くのは自然な質問です。
認定を目指すなら、その要件を満たせる環境かどうかが職場選びの条件になります。
取得が転職でどう活きるか
認定資格そのものが年収に直結するとは限りません。資格手当を設けている職場もあれば、評価に反映されない職場もあります。
ただし、書類選考では確実にプラスに働きます。継続的に学んでいることの証明になるためです。特に応募先が力を入れている分野の認定であれば、志望動機の説得力も増します。
面接では、資格の名称より「取得の過程で何を学び、実務でどう活かしているか」を語れることが重要です。ここが説明できないと、資格だけが浮いてしまいます。
働きながら進めるための工夫
単位の取得は、eラーニングを併用すると進めやすくなります。移動時間や休日を使って進められるためです。
勤務先の支援制度を確認してください。研修費用の補助、学会参加の旅費、勤務扱いでの参加が認められる職場もあります。この差は数年で大きくなります。
転職の際に、認定の更新に必要な単位が取れる環境かどうかも確認しておいてください。せっかく取得しても、更新できなければ失効します。
キャリアの選択肢を広げる
認定以外にも、キャリアを広げる方法はあります。管理薬剤師やエリアマネージャーとして運営に関わる道、本部で教育や品質管理を担当する道などです。
調剤以外の分野に移る場合、CROやSMOでの治験関連職、製薬企業の学術やDIといった選択肢もあります。これらは薬剤師の知識を別の形で活かす道です。
大切なのは、資格を取ることを目的にせず、「何ができるようになりたいか」から逆算することです。そこが決まれば、必要な資格と環境は自然に見えてきます。
よくある質問
- 認定薬剤師を取ると年収は上がりますか。
- 資格手当を設けている職場もあれば、評価に反映されない職場もあります。ただし書類選考では確実にプラスに働きます。
- どの認定から目指せばよいですか。
- まずは研修認定薬剤師が一般的です。研修会やeラーニングで単位を積み上げる形のため、働きながらでも進められます。
- 専門分野の認定はどこでも取れますか。
- その分野の症例に関われる環境が必要です。目指す認定が決まっているなら、要件を満たせる職場かどうかを転職の判断材料に入れてください。
最終更新日:2026年9月8日
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