退職の切り出し方と円満に辞めるための進め方

保育士の退職は、年度やクラス担任の区切りと重なるため、切り出しにくさがあります。「子どもたちに申し訳ない」という気持ちから、言い出せないまま消耗してしまう人も少なくありません。ここでは進め方を順を追って整理します。

伝える順番を間違えない

最初に伝えるのは園長または主任です。同僚に先に話すと、本人が伝える前に上司の耳に入り、話がこじれることがあります。

相談ではなく報告の形で伝えるのが基本です。「辞めようか迷っている」と切り出すと引き止めの余地を残すことになり、話が長引きます。

伝える場所は、他の職員がいない場所を選んでください。時間も、業務が落ち着いている時間帯に「少しお時間いただけますか」と事前に確保しておくと落ち着いて話せます。

伝える時期

法律上は退職の2週間前までに申し出れば退職できます(民法第627条・期間の定めのない雇用の場合)。ただし就業規則で1〜2ヶ月前と定めている園もあり、実務上はそちらに合わせるのが円満です。

保育の現場では、クラスの引き継ぎや保護者への説明に時間がかかります。可能であれば2ヶ月程度の余裕を持って伝えると、双方にとって負担が小さくなります。

年度末での退職を希望する場合、次年度の体制を決める前、つまり12月から1月頃までに伝えておくと園も動きやすくなります。

理由の伝え方

退職理由は、園への不満ではなく自分の事情として伝えるほうが角が立ちません。「人間関係が合わない」ではなく「別の環境で経験を積みたい」といった形です。

嘘をつく必要はありませんが、すべてを伝える義務もありません。改善を求めているわけではなく退職を決めている以上、不満を並べても関係が悪くなるだけです。

一方で、明らかな法令違反やハラスメントがある場合は、記録を残したうえで労働基準監督署や自治体の窓口に相談する選択肢があります。

引き止めにあったとき

「代わりが見つかるまで待ってほしい」「子どもたちがかわいそう」といった言葉で引き止められることがあります。気持ちは揺れますが、代わりの確保は園の責任であって、退職する側が負うものではありません。

条件を上げる提案を受けた場合も、慎重に考えてください。退職の意思を示して初めて出てきた条件は、それまで改善されなかった条件でもあります。

「すでに次が決まっています」と伝えると、話が長引きにくくなります。

引き継ぎは自分のためでもある

引き継ぎを丁寧に行うことは、園のためだけではありません。保育業界は地域内でのつながりが強く、思わぬところで再会することがあります。

クラスの子どもの様子、保護者とのやりとりの経緯、進行中の行事の準備状況を書面にまとめておくと、後任が困りません。口頭だけでは伝わりきらないため、記録として残すことをおすすめします。

最終更新日:2026年8月7日

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