保育士の転職指南書

保育士の処遇改善等加算の仕組みと給与への反映

2026年9月8日 更新4分で読めます6

写真:Pexels

保育士の求人票にある「処遇改善手当」は、園が独自に決めている手当ではなく、公定価格の仕組みにもとづくものです。仕組みを知っておくと、求人票の金額を正しく読めるようになります。

処遇改善等加算とは何か

処遇改善等加算は、子ども・子育て支援制度の公定価格に含まれる仕組みです。園に支給され、職員の賃金改善に充てることが条件になっています。

重要なのは、これが園独自の手当ではないという点です。原資は公費であり、園はその使い道について自治体へ実績を報告する義務があります。

つまり、同じ地域の園であれば加算の考え方は共通です。にもかかわらず求人票の金額に差が出るのは、園内での配分の仕方が異なるためです。

加算の種類と、令和7年度からの一本化

3→1加算Ⅰ〜Ⅲが一本化された令和7年度から
区分①〜③一本化後に設けられた区分こども家庭庁資料より

令和6年度までは、処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3つが並立していました。Ⅰは経験年数や職場環境の改善に応じたもの、Ⅱは技能・経験を積んだ職員への追加的な改善、Ⅲは全職員を対象とした賃金改善という位置づけでした。

こども家庭庁の資料によると、この3つは令和7年度から一本化され、新しい「処遇改善等加算」のなかに区分①・区分②・区分③が設けられる形に整理されました。区分①が基礎分、区分②が賃金改善分、区分③が技能・経験に応じた質の向上分にあたります。

制度は見直しが続いている分野です。最新の内容は、こども家庭庁の資料や、勤務先のある自治体の案内で確認してください。

キャリアアップ研修との関係

技能・経験に応じた加算(従来の加算Ⅱ、現在の区分③にあたる部分)は、キャリアアップ研修の受講と、園内での役職の発令が要件になっています。

役職には、職務分野別リーダー、専門リーダー、副主任保育士などがあります。それぞれに必要な研修分野と経験年数の目安が定められています。

研修は都道府県などが実施しており、受講済みの分野は他の自治体でも有効とされるのが一般的です。転職を考えている場合、受講記録は必ず保管しておいてください。

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園によって配分が違う

加算額が同じでも、園内でどう配分するかは園が決めます。全職員に均等に配る園、役職者に厚く配る園、経験年数に応じて傾斜をつける園があります。

そのため、経験の浅い職員にとっては均等配分の園のほうが有利になり、リーダー職を目指す人にとっては傾斜配分の園のほうが将来の伸びしろがあります。どちらが良いかは自分の状況によります。

面接では「処遇改善の手当は、どのような考え方で配分されていますか」と聞いてみてください。説明できる園は、運用が整理されています。

加算の額ではなく、園内での配分の考え方が、自分の給与に直結します。

求人票での確認方法

求人票に「処遇改善手当込み」と書かれている場合、その額がいくらかを確認してください。総額に含まれていると、基本給が実際より高く見えます。

基本給が低く手当が厚い構成だと、賞与や退職金の計算基礎が小さくなります。目先の月収だけでなく、年収と将来の積み上がりで比べる必要があります。

また、役職に紐づく手当の場合、その役職に就かなければ支給されません。「役職手当を含む」という記載があれば、自分が対象になるかを必ず確認してください。

制度は変わることを前提にする

処遇改善の仕組みは、数年ごとに見直されています。この記事の内容も、確認した時点の資料にもとづくものです。

転職を検討する際は、こども家庭庁の公表資料と、勤務先のある自治体の案内をあわせて確認してください。自治体独自の補助を上乗せしている地域もあります。

園に直接聞くのが最も確実です。制度の説明を丁寧にしてくれる園は、職員への還元についても透明性が高い傾向があります。

よくある質問

処遇改善の手当は全員がもらえますか。
園内での配分の仕方によります。全職員に均等に配る園と、役職者に厚く配る園があるため、面接で配分の考え方を確認してください。
加算の制度は今後も変わりますか。
見直しが続いている分野です。令和7年度から加算Ⅰ〜Ⅲが一本化されたように、数年単位で仕組みが変わるため、最新情報は公的資料で確認してください。
キャリアアップ研修は転職しても有効ですか。
受講済みの分野は他の自治体でも有効とされるのが一般的です。受講記録は必ず保管しておいてください。

参照した資料

  1. 処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について(子ども・子育て支援等分科会 資料)こども家庭庁2026年9月8日参照

最終更新日:2026年9月8日

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