介護の仕事を探すルートは、正社員の紹介だけではありません。派遣、紹介予定派遣、資格取得支援つきの就業といった選択肢があり、同じ会社が複数を扱っていることも多くあります。仕組みが違えば、給与の出どころも、辞めたいときの動き方も変わります。ここで整理しておきます。
紹介・派遣・求人サイトで、お金の流れが違います
人材紹介(転職エージェント)は、施設に直接雇われる形です。採用が決まった時点で施設が紹介会社に手数料を払い、そこで関係は終わります。以後の給与も相談先も施設になります。
介護派遣は、派遣会社に雇われて施設で働く形です。給与は派遣会社から出て、シフトや人間関係の相談も派遣会社の担当者にします。時給は紹介より高く設定されることが多い一方、賞与や退職金は基本的にありません。
求人サイトは掲載型で、施設が掲載料を払い、応募から面接調整まで自分で行います。ハローワークは無料掲載なので、採用にお金をかけない小規模な事業所の求人が出ていることがあります。
紹介予定派遣という中間の選択肢
紹介予定派遣は、一定期間(多くは3〜6か月)派遣として働いたあと、双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。介護の求人では比較的よく見かけます。
利点は、実際にフロアに入ってから決められることです。夜勤の回り方、記録の量、職員同士の空気は、見学だけではまず分かりません。ここが合わないまま正社員で入ってしまうのが、介護の転職で一番つらいパターンです。
注意点は、期間中の待遇は派遣だという点です。賞与は出ませんし、直接雇用になる保証もありません。切り替え後の月給・賞与・夜勤手当を、派遣で働き始める前に書面で確認しておいてください。
見学だけでは分からないフロアの空気を、雇用を確定させる前に確かめられるのが紹介予定派遣です。
資格取得支援は条件をよく読む
介護職員初任者研修や実務者研修の費用を、実質無料にする支援を掲げるサービスがあります。無資格から始める人にとっては大きな助けです。
ただし多くの場合、「その会社が紹介する事業所で一定期間働くこと」が条件になっています。途中で辞めた場合に受講料の返還を求められる契約もあります。
確認しておきたいのは3点です。就業義務の期間、期間内に辞めた場合の費用負担、そしてテキスト代など支援の対象外になる実費。パンフレットではなく、申込書の条項で確かめてください。

同じ事業所に2ルートから応募しない
介護は求人の重複が多い分野です。同じ事業所が求人サイトにも出し、複数の紹介会社にも依頼している、ということが普通に起こります。
自分で応募した事業所を、あとから紹介会社に勧められる場面はよくあります。その場で「そこは応募済みです」と伝えてください。放置すると、施設側が手数料の扱いを判断できず選考が止まります。
応募した事業所名・応募日・ルートの3つをメモに残しておくだけで防げます。
働き方が決まっていないときの順番
正社員か派遣かを決めかねている段階でも、登録して相談すること自体は問題ありません。ただし担当者は決まっているほうが動きやすいので、迷っていることは最初に伝えてください。
登録は2社までが扱いやすい数です。介護は同じ事業所が複数社に出ているため、3社以上だと同じ求人を何度も見ることになります。
- ステップ1:求人サイトとハローワークで、通える範囲の相場(月給・夜勤手当・夜勤回数)を見る
- ステップ2:施設の種類を2つまでに絞る(特養・老健・有料・GH・訪問など)
- ステップ3:正社員/派遣/紹介予定派遣のどれを軸にするか決める
- ステップ4:2社に登録し、決めた軸と施設の種類を伝えて紹介を受ける
- ステップ5:見学時に夜勤体制と人員配置を数字で聞き、並べて比べる
断ることを前提に進める
紹介された事業所が合わなければ、断って構いません。介護の求人は数があるので、1件断っても選択肢がなくなることはありません。
断る理由を具体的に伝えるほど、次の紹介がずれにくくなります。「なんとなく」ではなく、「夜勤が月5回は多い」「入浴介助が中心の職場は体力的に難しい」といった形で伝えてください。
強く勧められて決めきれないときは、その場で返事をせず持ち帰ってください。急かされること自体が、その担当者と合わないという情報でもあります。
よくある質問
- 紹介と派遣、どちらが得ですか。
- 時給だけを見れば派遣が高いことが多いですが、賞与・退職金・昇給を含めた年収では正社員が上回る場合があります。働ける期間と、収入以外に何を求めるかで変わります。
- 紹介予定派遣で、必ず正社員になれますか。
- なれるとは限りません。期間終了時に双方が合意した場合のみ直接雇用に切り替わります。切り替え後の条件は、働き始める前に書面で確認してください。
- 資格取得支援を受けたあとで辞めたらどうなりますか。
- 契約によっては受講料の返還を求められます。就業義務の期間と、期間内に辞めた場合の費用負担を、申込前に必ず確認してください。
この記事について
- 作成・確認
- 仕事比較ガイド編集部(yoin studio)
- もとにした情報
- 官公庁など公的機関が公表している資料と、各転職サービスの公式サイトで確認できた内容。数値や制度に触れる場合は、確認できた範囲を明示し、断定的な表現を避けています。
- 編集の方針
- 出所を確認できない数値は掲載していません。口コミは引用元と参照日を明示しています。詳しくは編集方針をご覧ください。
- 最終更新日
- 2026年7月5日
内容に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせよりご連絡ください。確認のうえ速やかに訂正します。
