介護の仕事を辞めたくなる理由は、たいてい「介護そのもの」ではなく「今いる施設のやり方」にあります。施設の種類が変われば、1日の中身も体の使い方も別物になります。ここでは、辞める前に確かめておきたい順番を示します。
施設の種類が変われば、仕事の中身が変わります
特別養護老人ホームは要介護度が高く、身体介護と看取りの比重が大きくなります。介護老人保健施設は在宅復帰が目的なのでリハビリ職との連携が中心です。有料老人ホームは施設ごとの差が大きく、サービスの水準も価格帯によって変わります。
グループホームは少人数で生活を支える形なので、身体介護より生活援助と関わりの比重が高くなります。デイサービスは日中のみで夜勤がなく、訪問介護は1対1で移動を伴います。
「介護が向いていない」と感じているとき、実は「今の施設の型が合っていない」だけということがあります。まずは今の負担が、施設の種類に由来するものかどうかを切り分けてください。

辞めずに変えられる3つ
1つ目は夜勤です。夜勤専従を外して日勤のみに変えられないか、あるいは回数を減らせないかを相談してください。給与は下がりますが、生活のリズムが戻ることで続けられるようになる場合があります。
2つ目はフロアやユニットの変更です。同じ施設でも、利用者の層と職員の組み合わせが変わると空気が変わります。人間関係が理由なら、これで解決することがあります。
3つ目は法人内の異動です。複数の事業所を持つ法人なら、退職せずに別の事業所に移れる可能性があります。特養から訪問へ、施設からデイへ、といった移り方ができれば、経験を切らさずに負担を変えられます。
人員配置が原因なら、いつまで続くかを聞く
「人が足りない」ことが理由の場合、それが一時的なのか、恒常的なのかで判断が変わります。産休や退職が重なった一時的な穴なら、補充の見込みが立てば解消します。
確認したいのは、今何人欠員があるか、募集を出しているか、この1年で何人辞めたか、の3つです。募集を出しても埋まらない状態が1年続いているなら、構造的な問題である可能性が高くなります。
上司に聞きにくい場合は、シフト表の変化を見てください。同じ人が続けて夜勤に入っている、応援が常態化している、といった状態は、数字を聞かなくても分かるサインです。
体に出ているサインは先に対処する
腰痛、膝の痛み、手首の痛み。介護職に多いこれらの症状は、放置すると働き方そのものを狭めます。痛みが慢性化してから転職しても、選べる職場が減っているという状態になりかねません。
痛みが出ている段階で、移乗の方法を見直す、福祉用具の使用を相談する、負担の少ない施設形態に移る、といった手を打ってください。
睡眠が取れない、休みの日も気持ちが晴れない、という状態も同じです。年単位で続いている場合は、医療機関にかかることを先にしてください。判断力が落ちた状態で決断する必要はありません。
給与が理由なら、加算の配分を確認する
介護職員等処遇改善加算は事業所に支給され、職員への配り方は事業所が決めます。基本給に乗る事業所もあれば、手当や賞与でまとめて出る事業所もあります。
まず自分の給与明細で、加算にあたる手当がいくら入っているかを確認してください。事業所は加算の取得区分と配分方法を職員に周知する必要があるので、分からなければ聞いて構いません。
そのうえで、同じ地域・同じ施設形態の求人を10件ほど並べてください。夜勤手当の単価と月給の水準を比べると、今の待遇が相場のどのあたりかが見えます。

続けると決めたときの線引き
続けると決めた場合は、「何が起きたら考え直すか」を1つ決めておいてください。「夜勤が月6回を超えたら」「欠員が半年埋まらなかったら」といった、自分で確認できる形にします。
線を決めておくと、我慢が惰性で続くのを防げます。逆に、線を越えていないなら今は続ける、と割り切ることもできます。
資格の取得も、続ける期間を意味のあるものにします。実務者研修や介護福祉士の要件を満たす時期を確認しておくと、次に動くときの条件が変わります。
よくある質問
- 施設形態を変えると、経験はリセットされますか。
- されません。介護福祉士の受験に必要な実務経験は、施設形態が変わっても通算できます。ただし業務内容が変わるため、慣れるまでの期間は必要です。
- 人手不足を理由に退職を認めてもらえません。
- 退職の意思表示をすれば、法律上は一定期間の経過で退職できます。引き止めが続く場合は、退職届を書面で提出し、控えを残してください。
- 腰痛で続けられるか不安です。
- 身体介護の比重が低い職場(デイサービス、グループホーム、訪問介護の生活援助中心など)に移る選択肢があります。悪化する前に働き方を変えるほうが、選べる幅は広くなります。
この記事について
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- 仕事比較ガイド編集部(yoin studio)
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- 最終更新日
- 2026年7月10日
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